North Pacific Anadromous Fish Commission

Species Japanese

魚種

溯河性魚類とは何ですか?

溯河性魚類は、彼らが孵化した淡水域から、大きく成長し産卵のため淡水域に戻るまでの一生の大半を過ごす海へ下ります。一般的な溯河性魚類として、サケ類、キュウリウオ類、チョウザメ類及びヤツメウナギ類があります。

条約の附属書 に掲載されている条約水域条約水域内に回遊する溯河性魚類には、NPAFCの目的とするところのカラフトマス、シロザケ、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ、サクラマス及びスチールヘッド・トラウトがあります。

太平洋サケとは何ですか?

太平洋サケとは、Onchorhynchus 属(サケ属)の溯河性魚類であり、淡水で孵化し、産卵のため淡水域に戻る前に海で一生の大半を過ごすものを指します。太平洋サケは1回結実性、つまり一生に一度だけ繁殖し、一度の産卵の後、すべての成魚が死んでしまいます。 太平洋サケにはスチールヘッド・トラウト以外のサケ属6種あります カラフトマス, シロザケ, ベニザケ, ギンザケ, マスノスケ, 及び サクラマス.

スチールヘッド・トラウト もOncorhynchus属です。スチールヘッドはニジマスの溯河性形態であり、北太平洋において広範な回遊を行うことができます。一生に一度だけ繁殖する太平洋サケとは異なり、スチールヘッドは一生に何度も繁殖し、産卵後も生存して海への回遊を繰り返し、何度も産卵するために淡水域に戻ります。

太平洋サケ

カラフトマス

学名 Oncorhynchus gorbuscha
英名 Pink salmon
別名: Humpy Salmon, Humpback salmon
J和名 カラフトマス (Karafutomasu)
韓国名 곱사연어 (Gopsayeoneo)
露名 Горбуша (Gorbusha)

カラフトマスは、太平洋サケで最も豊富な種であり、アジアと北米が起源です。出現時には、カラフトマス稚魚は迅速に海へ下り、広範な索餌回遊を行うよう急速に成長します。

カラフトマスの一生は不変の2年サイクルです。海で18ヶ月過ごした後、成熟魚が産卵のため母川に戻ってきます。カラフトマスの奇数年の年級群が北太平洋の多くの水域に存在しますが、奇数年に淡水に戻ってくる成魚が偶数年よりもはるかに多いことを意味します。成魚は太平洋サケで最小であり、体長45〜55センチメートル、重量1.0〜2.5キログラムです。カラフトマスは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

海洋型の見分け方: カラフトマスは、体の背面(背部側部両方に)と尾鰭の葉に大きな楕円形の黒い斑点があります。鱗は非常に小さく、成熟オスの背面には大きなこぶが発達しています。肉はピンク色で比較的柔らかく、マスノスケやベニザケに比べて脂肪含有量が比較的低くなっています。

シロザケ

学名 Oncorhynchus keta
英名 Chum salmon
別名: Dog salmon
和名 シロザケ (Shirozake)
韓国名 연어 (Yeoneo)
露名 Кета (Keta)

シロザケは、太平洋サケで2番目に豊富な種であり、アジアと北米が起源です。河川に産卵し、稚魚はすぐに砂利から出て海へ下ります。

未成熟のシロザケは北太平洋上に広く分布し、成熟魚は通常、海で2~5回の冬を過ごした後、さまざまな年齢で夏もしくは秋に母川に戻ります。成魚は、体長108.8センチメートル、重量20.8キログラムまで達すると報告されています。シロザケは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

海洋型の見分け方: シロザケには、体や尾部に斑点がありません。尾鰭には明瞭な銀色の線があります。他の太平洋サケと比較して、尾柄は、比較的狭く、眼の瞳孔は比較的大きいです。肉は淡いピンク色でわずかに堅く、マスノスケやベニザケに比べて脂肪含有量は比較的低くなっています。

ベニザ

学名 Oncorhynchus nerka
英名 Sockeye salmon
別名: Red salmon, Bluebacks
和名 ベニザケ (Benizake)
韓国名 홍연어 (Hongyeoneo)
露名 Нерка (Nerka)

ベニザケは、太平洋サケで3番目に豊富な種であり、アジアと北米が起源です。一般的にベニザケの仔魚は砂利から出てすぐ、1〜3年生育の場として湖を利用しますが、一部の系群は河川域を生育の場とすることができ、すぐ海へ下ります。

ベニザケは、産卵のため淡水域に戻るまでに海で1~4年を過ごします。成魚の体長は様々であり、体長45〜60センチメートル、重量1.6〜3.2キログラムの範囲です。ベニザケは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

海洋型の見分け方:ベニザケは、体や尾部に黒い斑点がありません。鱗は小綺麗に規則的に配列されています。肉の色は鮮やかな赤で、比較的しっかりしており、シロザケやカラフトマスに比べて脂肪含有量は高くなっています。

ギンザケ

学名 Oncorhynchus kisutch
英名 Coho salmon
別名: Silver salmon
和名 ギンザケ (Ginzake)
韓国名 은연어 (Eunyeoneo)
露名 Кижуч (Kizhutch)

ギンザケは、アジアと北米が起源です。ギンザケの稚魚は、一般に1~2年淡水域に残り、その後、海に下ります。海で約18ヶ月過ごした後、ギンザケは淡水域の産卵場へ戻ってきます。

成魚のサイズは体長40~88センチメートル、重量1.2〜6.8キログラムと様々です。ギンザケは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

海洋型の見分け方: ギンザケには、尾部の膜上にも出現する小さな黒い斑点が背面にあります。尾部には光沢があるが、明確に分けられた銀色には配色されていません。尾柄は比較的広く、下顎の歯の根本は白くなっています。肉はピンク色でしっかりしており、調理の際は他の太平洋サケよりも乾燥した歯ごたえが得られます。

マスノスケ

学名 Oncorhynchus tshawytscha
英名 Chinook salmon
別名: King salmon, Spring salmon, Blackmouth, Tyee
和名 マスノスケ (Masunosuke)
韓国名 왕연어 (Wangyeoneo)
露名 Чавыча (Tshawytscha)

マスノスケは、アジアと北米が起源です。マスノスケは、シロザケ、カラフトマス及びベニザケのように豊富ではなく、他の太平洋サケよりも体長が大きくなります。その生活史は色々とあります。すべてのマスノスケは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

「河川型」マスノスケは、海に下る前に淡水域で稚魚や幼魚として1年過ごします。一般的に、このタイプは産卵数ヶ月前の春や夏に自分が生まれた川に戻ります。

「海洋型」マスノスケは、普通、生後3ヶ月以内に川砂利から出て、1年の間に海に下り、まもなく産卵前の秋には自分が生まれた川に戻ります。

成魚の体長は、58〜89センチメートルメートルまたはそれ以上と異なっています。マスノスケの通常の重量は4.5〜22.5キログラムです。

海洋型の見分け方:マスノスケは、背中と尾鰭の両葉に小さくて丸い黒い斑点があり、下顎の歯の根元沿いが黒くなっています。マスノスケは、消費する餌の色素をどう処理するかの違いによって白肉なりますが、肉の色はピンクです。肉はかなりしっかりしていて、シロザケやカラフトマスに比べて比較的高い脂肪含有量を有しています。

サクラマス

学名 Oncorhynchus masou
英名 Cherry salmon
和名 マサクラマス (Sakuramasu)
別名: マス (Masu salmon)
韓国名 시마연어 (Simayeoneo)
露名 Сима (Sima)

サクラマスはアジアのみが起源です。サクラマスのほとんどは、河川で1年以上、海で1冬を過ごした後、3〜4年で成熟します。すべての遡上サクラマスは産卵後に死んでしまいます(一回結実性)。

サクラマスは、自分が生まれた川に3~5月に戻って夏を過ごし、秋には産卵するために上流に移動します。

成魚のサイズは、一般的に体長50センチメートル以上かつ重量2〜2.5キログラム以上で、大きく変化します。

海洋型の見分け方: サクラマスは、ギンザケに最もよく似ています。サクラマスは、背中や銀色の鱗の下の暗い色相に小さな黒い斑点があります。肉は明るい赤で、しっかりとした質感があり、ギンザケよりもしっとりとして油っぽくなっています。

スチールヘッド・トラウト

学名 Oncorhynchus mykiss
英名 Steelhead trout
和名 スチールヘッド・トラウト (Steelhead)
韓国名 무지개송어 (Steelhead Songeo)
露名 Стальноголовая форель, микижа (Raduzhnaya forel)

スチールヘッド・トラウトはニジマスの遡河形態です。スチールヘッドは、北米とアジアが起源です。ほとんどのスチールヘッドは2〜3年淡水域に残り、海で2~3年を過ごすと、産卵するために自分が生まれた川に戻ってきます。一部のスチールヘッドは、複数回産卵する場合があります(多回繁殖性)。

成魚の通常のサイズは、体長50〜58センチメートル、重量1.4〜6.8キログラムである。

海洋型の見分け方: スチールヘッド・トラウトには、頭部、背部及び尾鰭に現れる小さな黒い斑点があります。尾部の銀色マーキングが中央域に閉じ込められています。太平洋サケに比べて、頭部は比較的小さく、尾部は比較的大きい。尾部はフォーク型をしていません。肉は淡いピンク色で、質感がしっかりしています。

大西洋サケは太平洋サケとどのように違うのか。

    • 大西洋サケは Salmo salar の一種(太平洋サケは6種から成る)。
    • 人間による移植まで、太平洋サケは歴史的に北大西洋に分布しており、西ヨーロッパ、アイスランド、グリーンランド及び北米の東海岸の河川で繁殖しています。
    • 大西洋サケは一度だけ繁殖する太平洋サケとは異なり、何度も繁殖します(多回繁殖性)。 多回繁殖性とは、大西洋サケがスチールヘッドのように、産卵後も生き残って海に戻り、淡水域への遡上を繰り返して、何度も産卵することを意味します。
    • 海を回遊する大西洋サケは、側線の上方、鰓蓋の上の頭部の上面及び側面に、大きく目立つ黒い斑点があります (太平洋サケは鰓蓋に黒い斑点がありません)。
    • 北大西洋サケ類保存団体は、保存、回復及び野生の大西洋サケ類資源の国家管理を担当する国際機関です。 (NASCO;www.nasco.int)
    • 野生の太平洋サケの漁獲が養殖太平洋サケの生産量の5倍以上である(主にギンザケ及びマスノスケ)一方で、野生の大西洋サケの漁獲量は養殖大西洋サケの収穫の0.1%未満です。

Images of salmon species credit: Leman, V.N., and E.V. Esin. 2008. Illustrated guide on salmonid fishes of Kamchatka. Moscow: VNIRO. http://www.knigakamchatka.ru/ref/animal/opredelitel-ryb-kamchatka.html